ハースロール(炉内ロール)
高温化で鋼板を搬送するロール表面は、適度のグリッピング性や耐ビルドアップ性が要求されます。長期間これらのニーズにお応えすることのできる高機能サーメットやセラミックスの溶射皮膜を提供しています。
ピストンロッド
WCサーメット系溶射皮膜で耐摩耗性、断熱性、潤滑性を付与することにより、ピストンロッドの寿命を飛躍的に延長することができます。
ボイラチューブ
火力発電所ボイラ設備等の高温環境においては、設備の摩耗減肉が激しく、設備の長寿命化が必要不可欠となります。耐摩耗溶射により、メンテナンス費用の低減、ボイラ設備の延命化による設備更新費用の削減が可能となります。アンモニア、水素の混焼による腐食を防止する目的でも溶射が用いられます。
自動車用金型
自動車用のプレス金型に耐摩耗性や耐焼付き性を付与することにより生産性の向上、金型の長寿命化に貢献しています。
航空機部品
ジェットエンジンの動翼・静翼には耐熱目的で、またランディングギアやその他の部品は摺動摩耗防止などの目的で溶射が適用されています。
ヤンキードライヤーロール
衛生紙製造ラインで使用されるヤンキードライヤーロールは直径3,000mm以上もある巨大な乾燥用ロールです。トーカロの開発したヤンキードライヤーロール用皮膜は、鋳物と同様組織を形成し、耐摩耗性に優れています。また、当社独自のノウハウにより、ロールを設置場所から取り外さずに現地で前加工研磨、溶射、仕上げ研磨まで全ての施工が可能です。
フィルム用鏡面ロール
フィルム製造装置用のロールにキズ防止、鏡面維持目的で溶射が適用されています。また、離型性も付与することにより、それが製品不良の防止につながり品質安定に貢献しています。
ホブカッター
マーキュリーコートは、高硬度・耐酸化性・耐摩耗性に優れた被膜です。歯切り加工分野において取組みが進んでいるドライ加工化・高速化・高送り化への切削条件に優れた性能を発揮します。
ポンプ部品
各種ポンプ部品に耐食性に優れたセラミックスの皮膜を適用することにより、長期間にわたる使用寿命、メンテナンスフリーを実現しています。
シンクロール(浴中ロール)
亜鉛めっき鋼板製造ライン(CGL)の亜鉛めっき浴中ロールを亜鉛による侵食から保護するため、またグルーブマークなどの製品不良を防止するために溶射(耐溶融金属性)が用いられています。
橋梁(橋脚ケーシング)
大鳴門橋などの海洋構造物では、塩水による激しい腐食が予測されるため、橋脚ケーシングなどの防錆目的で溶射が適用されています。防錆溶射を行うことにより、錆の発生から長期間保護され、減肉することなく長年使用することができます。
スリーブ
地球環境保護の観点、消耗品コスト削減の観点、あるいは製品への異物混入対策という観点から、潤滑剤を使わずに無潤滑での機械操業が実現できれば大きなメリットをもたらします。摺動部を溶射化することによりそれが実現できる場合も少なくありません。ぜひお試しください。
ベアリング
ベアリング表面では、接続されているモーターや発電機からの微小な電流が漏洩して、放電現象を起こすことがあります。放電により腐食(電食)が発生し、ベアリングの早期劣化が問題になります。このベアリング表面に溶射により絶縁特性を付与しています。
ドライエッチング装置部品(半導体製造装置)
シリコンウエハをドライエッチングする工程で利用されるドライエッチング装置の部品(オレンジ色部分)に溶射が適用されています。耐プラズマエロージョン目的や、ウエハを吸着する静電チャックへの電気特性の付与など様々な目的で溶射が活躍しています。
放電電極
誘電体とするべき材料を薄く緻密に溶射形成することにより、バルク材では不可能な薄い誘電体と電源をマッチングさせて、熱損失の少ない省エネ放電が得られます。
射出成形金型
鋳造用金型や樹脂成型金型、それらの中子・イジェクタピンなどは、注型材料と相性が悪い(非反応性を有する)ことが重要です。サイクルタイムを短縮すると同時に製品歩留まりを上げるために、各種金型に様々な非反応膜(離型膜)が適用されています。薄肉モノや複雑形状の問題解決にぜひお試しください。
スピンコーター
水溶性材料を用いたプロセスや24時間連続稼働していない生産設備では、液残りや材料固着が生産性を阻害します。表面改質によるこの問題解決を『働き方改革』に有効な手立てとして標準採用される事例が増えています。
自動炊飯ライン
業務用炊飯ラインのアルミ製炊飯釜にIH(電磁誘導加熱)特性を溶射により付与します。釜の軽量化により省エネ、炊飯効率の向上に役立っています。 また、導電材料(高抵抗材料)を溶射形成することにより面状ヒーターを作ることも可能です。別の材料を被覆することにより接触物の除電(スローリーク)をすることもできます。
配管類
トリチウム透過低減からスタートした本技術(MS-ZAC)は水素脆化対策としても有効です。これからの水素化社会でも、ソリューションテクノロジーとして進化し続けます。
アーモンドのロースト設備
表面の輻射率を上げることで加熱対象物への加熱効率(放熱性)が向上します。真空中での加熱時間の短縮、真空中での焼き付き対策、食品の味の安定化、加熱に必要なエネルギ量の低減など、複合的なメリットをもたらします。
樹脂基材
軽量化のために樹脂が適用される機会が増えていますが、樹脂では電磁波を止めることができません。樹脂の上に金属材料を被覆することで電磁波シールド性を持つ軽量な樹脂ケースなどを実現します。
水力発電用タービン
水力発電所で使われるランナ、ガイドベーン、ライナープレート等において、土砂摩耗対策や耐キャビテーションエロージョン目的で溶射が採用されています。
人工骨(インプラント)
生体親和性のある材料で人工骨の表面をポーラスに仕上げることで、生体組織とのなじみが早くなり、リハビリテーション時間を短くすることができます。