保有技術:溶射以外の表面改質技術CDC-ZACコーティング
CDC-ZACコーティングプロセスとは
主な特徴
高密度
形成された皮膜は、平均粒径が約2μmの酸化クロム系複合ファインセラミックで構成されており、高密度な皮膜を形成します。
高硬度
HV1,600~2,000の硬質セラミック粒子から構成されていますが、皮膜硬度としてはHV1,000~1,200を示します。
高密着力
皮膜内に母材のFeが、母材内に皮膜中のCrがそれぞれ相互拡散した化学的結合による中間層を形成していますので、極めて高い密着力を有します。
高い粒子間結合力
化学緻密化処理によって皮膜内に生成される酸化クロムは、ベースを構成する他の複合酸化物と化学的に結合し、極めて強固な粒子間結合力を有します。
皮膜特性
耐摩耗性
高硬度、高密度のCDC-ZAC皮膜は極めて優れた耐摩耗性を発揮します。これに加えて皮膜を構成する酸化クロムは平均2μmの超微粒子であるため、この微粒子が潤滑効果を高める働きをしてさらに耐摩耗性を高めるとともに、摺動部分の発熱量を抑える働きを果たしています。
耐食性
海水、塩基、および殆どの酸や溶剤に侵されませんが、塩酸やフッ素、および硝酸などに対しては充分な耐食性は得られません。下の表は社内試験の結果を示したものですが、実機に使用する場合は母材の材質の選定も長寿命化への大きな要因となります。
腐食液 | 5% NaCl | 5% HCl | 1N NaOH | 5% H2SO4 | 96% H2SO4 | キャス | 36% HCl |
---|---|---|---|---|---|---|---|
状況 | 168hr 異常なし |
168hr 異常なし |
168hr 異常なし |
144hr 異常なし |
144hr 異常なし |
144hr 異常なし |
72hr わずかに腐食 |
重水素の透過量軽減
(水素透過量軽減例.pdf資料提供:独立行政法人 日本原子力研究開発機構)
600℃での重水素透過量を1/1000に低減する事に成功しました。
適応範囲
膜厚
30μmから100μmの範囲で膜厚形成が可能。標準膜厚は50μm。
母材
炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、チタン、インコネル、セラミック焼結体などにコーティング可能。アルミニウムでは陽極酸化皮膜を前処理として形成が必要です。
加工物の形状・寸法
施工可能な大きさは最大で□2500×長さ9000L程度、最小内径3mmまで処理可。 複雑な形状もコーティング可能
CDC-ZACコーティング加工プロセス概念図
ZACROM
硬質クロムめっきは硬度に優れた特徴がありながら表面に微小亀裂が無数に存在するため耐食性に劣るところが最大の弱点でした。ZACROMはこの微小亀裂を特殊セラミックスで封孔補強した複合機能皮膜です。
耐食性
下記の比較写真をご参照下さい。
スーパーZAC
耐食性
下記の比較写真をご参照下さい。