サステナビリティ環境廃棄物削減・環境保全
トーカロは、事業活動、製品、サービスが係わる環境負荷を常に意識し、廃棄物削減、有害物質の適正な管理などを通して、汚染の予防および継続的改善に努めています。
化学物質などの適正な管理
PRTR法に則り、化学物質の排出・移動量を届け出ています
トーカロは、2023年度、指定化学物質の環境への排出量、および移動量につき、PRTR法(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)に従い6物質について届け出を行いました。なお、排出においては法の規制基準を満たしています。
排出量(kg) | 移動量(kg) | |||||
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大気への 排出 |
公共用水域 への排出 |
当該事業所に おける 土壌への排出 |
当該事業所に おける 埋立処分 |
下水道への 移動 |
当該事業所の 外への移動 (産廃) |
|
クロム及び 三価クロム化合物 |
6.7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4,970 |
コバルト及び その化合物 |
2.2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,370 |
ニッケル | 8.8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7,820 |
ニッケル化合物 | 1.1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 790 |
ほう素化合物 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3.2 | 11,900 |
炭化けい素 | 43.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 35,300 |
- 2022年度届け出のあったトルエンは、2023年度取扱量が1トンに満たないため、PRTR法での届出が0となっています。(PRTR法では、各事業所におけるトルエンの年間取扱量が1トン以上の場合に届け出ることになっています)
- 法改正により、2023年度から新たに炭化けい素が集計対象となりました。
廃棄物の削減
一般廃棄物から特別管理産業廃棄物まで、全ての種類に対して適正な処理を行っています
- 事業系一般廃棄物
事業系一般廃棄物の多くを占めるものは、紙類です。当社では紙類の再利用・リサイクルに取り組み、製紙会社の協力を得て機密保持の上、溶解処理を行うことなどで削減に努めています。 - 産業廃棄物
産業廃棄物は廃油が34%と最も多く排出されています。これは、湿式研削機(ロールなどの研磨を行う機械)で使用するクーラントと呼ばれる研削油を添加した冷却水に由来するもので、90%以上が水道水で、廃棄後はセメント工場などの燃焼温度調整用に利用されています。
続いて汚泥27%、廃アルカリ11%、混合廃棄物8%、鉱さい7%、廃プラスチック6%、ガラス・陶磁器くず5%となります。
汚泥や廃アルカリの多くは洗浄後の廃液で、ほとんどが水です。今後、蒸留ろ過して再利用を計画しています。
混合廃棄物は、複数の種類の廃棄物が混在し、分別しがたいものを指します。
鉱さいとは鉱物滓のことで、廃ブラスト材や集塵したヒュームなどの廃溶射材料です。
廃プラスチックは、材料容器や副資材などに加え、油が付着した紙くずや木くずなどを含みます。
ガラス・陶磁器くずは、耐熱レンガなどに加えセラミック系の研削材でリサイクルのできないものが含まれています。 - 特別管理産業廃棄物
ほとんどが、クロム含有材料(ステンレス鋼など)を使用する溶射で発生する粉塵を集塵機で回収したものです。溶出試験で規制値を超える場合があり、特別管理産業廃棄物として排出処理しています。
VOICE
資源の有効活用でカーボンニュートラルへの貢献を
吉田 貢(明石工場 品質管理室)
私はこれまで明石工場で環境事務局として15年間携わってきました。廃棄物管理責任者でもあるため、廃棄物の適正処理やリサイクルにも注力してきました。
溶射加工を行った廃棄物の中には、製品に付着しない廃粉塵が多く含まれます。中でも微細な粉塵は有害な成分を含むものもあり、基準値を超える場合、特別管理産業廃棄物として適正に処分しなければなりません。
しかし、廃棄するだけでは希少な資源を無駄にしてしまうため、リサイクル可能な成分は積極的にリサイクルしています。不純物として含まれる有害な化学物質は無害化し、無害化が困難で、医薬用外毒物に該当する化合物を含むものについては、毒劇物販売業の登録により、リサイクルを可能にしました。
毒劇物販売業の登録には、資格を持った管理者の選任や厳重な保管場所の設置など、より厳しい法遵守が求められます。これらの条件を一つ一つクリアし、2023年に毒劇物販売業として無事登録されました。これにより特別管理産業廃棄物の廃粉塵の約20%がリサイクル可能となりました。
法を遵守し、環境に負荷をかけない方法を模索し、実行する。特に、明石工場はトーカロで最も規模の大きい工場であるため、管理対象も幅広く、苦労もありましたが、その分やりがいのある15年間でした。今後はさらにカーボンニュートラルに貢献する取り組みを推進していけるよう、後任に引き継ぎたいと思います。
TOPICS
紙製の半透明クリアファイルを導入
本社(神戸市)雑がみの資源化について
トーカロ本社(神戸市 ポートアイランド内)では、神戸市がポートアイランド・六甲アイランドの事業者を対象に実施されている事業者から排出される古紙(雑がみ)資源化の取組に2020年3月より参画しています。本社内で多く発生するシュレッダーダストを回収し、契約している運搬業者により神戸市の指定場所に運び込んでいます。