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トーカロ株式会社 代表取締役 社長執行役員 小林 和也
代表取締役 社長執行役員
小林 和也

2023年6月代表取締役 社長執行役員に就任いたしました小林和也です。
当社グループを取り巻く事業環境が目まぐるしく変わる中、これまで以上に機動的かつスピード感を持って対応することで、持続的な成長による企業価値向上に注力し、株主様をはじめとするステークホルダー皆様の期待にしっかりと応えてまいります。つきましては、73期(2024年3月期)の業績と今後の経営展望について説明いたします。

長年ものづくりに携わってきた経験を活かして
お客様が抱える課題解決に注力

私は1989年に当社に入社して以来、主に製造部門の業務に従事してきました。北九州工場や明石工場の工場長を経た後、製造本部長を務め、何よりも安全を第一としたものづくりを追求してきました。この一年間を振り返りますと、経営トップとして意思決定を下すことの重責を実感しておりますが、今後も、先人が培ってきた有形・無形の経営資源を最大限に活かし、グループを挙げて、企業価値向上を目指した取り組みに邁進していく所存であります。
長年にわたり、ものづくりに深く関わってきた中で思うことは、当社の事業における強みは、特許や独自のノウハウを背景とした技術力であると考えています。
それとともに、営業担当者がお客様の事業に密着し、浮かび上がった個々の課題に製販技が一体となって解決に取り組む課題解決力もまた当社の強みの一つです。
私の経験の中で強く印象に残っていることの一つに、2000年代以降、お客様のFPD(フラットパネルディスプレイ)が毎年のように大型化していく中、スケールアップするごとに明石工場の生産ラインを一から立ち上げるといった歴史的な挑戦がありました。結果的に第10世代と呼ばれる最大規模まで対応していった経験は忘れられない思い出となっています。これまでも、その時代ごとに日本の産業界をリードするお客様からの信頼に応えるよう、課題の解決に尽力してきました。
FPD分野に限らず、半導体分野、さらには鉄鋼や産業機械などの分野においても、同様の挑戦を続けてきたことで着実な成長を成し遂げてきたと考えています。
中でも、鉄鋼業界のお客様とは長年にわたりお付き合いをさせていただいており、当社技術の発展と事業の成長を常にご支援いただいておりますことにあらためて感謝を申し上げる次第です。

一時的な半導体市場低迷の影響を受けて

第73期(2024年3月期)の連結決算につきましては、期首の段階で想定しておりました通り、当社主力事業の1つである半導体業界の市場が、一時的な調整局面に入ったことにより、業界全体で設備投資が抑えられ、当社の業績も全体として減収減益となりました。
しかしながら、半導体分野では、市場が新たな成長のステージを迎える見通しであります。
そのため、足元の業績確保に注力するとともに、中期的に見込める収益機会を確実にとらえるように、設備を充実し技術を磨いて、準備を進めてきた一年でもありました。鉄鋼や産業機械などの分野においても、時代の先を見据えつつ、お客様の課題にしっかりと応える新技術の追求や自動化などによる生産性向上に尽力しました。市場や産業構造が大きく変わる中で大事なことは、その変化から生じるお客様のニーズを的確に捉え、最適なソリューション提供を行うことだと考えます。
こうした取り組みの結果、鉄鋼や産業機械などの分野では増収増益とすることができましたが、半導体・FPD分野の落ち込みをカバーするには至りませんでした。

製造業各社の設備投資増強計画を見据えた準備を進める

半導体分野においては、これからの需要回復に備えて、東京や明石、倉敷、北九州の各工場で工場棟建設や生産設備への投資を着実に進めている段階です。
加えて、鉄鋼や産業機械などの分野につきましても、当社が持つ最先端の技術力を駆使して、装置メーカーなどに対する提案活動をさらに強化していく考えです。
なお、今後の株主還元方針につきましては、連結配当性向50%程度、純資産配当率(DOE)5%以上を目標として、安定的な利益配当を行ってまいりますとともに、自己株式取得などの資本政策についても、様々な角度から検討を重ねていく考えであります。

中期経営計画の進捗状況について

「特許のトーカロ」にふさわしく表面改質技術の新たな可能性に挑む中で、中期経営計画に掲げる成長戦略の実現に向けて着実に進んでいます。
半導体・FPD分野では、当社が磨いてきた最先端の溶射技術を通じて、既存のお客様はもちろんのこと、新たなお客様に対しても、製品の高付加価値化、生産設備の高機能化に役立つ提案を積極的に行っています。
また、溶射以外においても既存の技術であったCDC-ZACコーティングやTDプロセスなどを更に研究し、化学反応を利用した皮膜形成技術によって、新たな高性能皮膜の提供が可能になっています。加えて、溶射と熱処理の複合化といった従来にはない処理方法に挑戦するなど、中長期的にさらなる成長につながる楽しみな試みが次々に実用化されつつあります。このように、今後、グローバル展開を加速する上で、独自の技術を生かして世界をリードする表面改質技術を一層磨いてまいります。製造工程の自動化による生産性の向上を図りつつ、他方では人の手でしかできない匠の技を組み合わせることで、トーカロでしか成し得ない競争優位性を築いていく考えです。

第74期(2025年3月期)に向けて

新技術の開発や生産体制の充実に取り組むとともに、人財育成やダイバーシティ、ならびに環境配慮を中心としたサステナビリティなど、非財務資本への取り組みも重要な経営課題であり、積極的に推進してまいります。
なおも厳しい市場環境が続くと見込んでいますが、逆境にひるむことなく、持続的な成長を実現してまいります。
引き続き、ご支援、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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